物流法改正を「規制」ではなく「進化」の好機へ。ロンコ・ジャパンが描く、次世代物流への対応と展望
物流法改正を「規制」ではなく「進化」の好機へ。
ロンコ・ジャパンが描く、次世代物流への対応と展望
物流業界は今、かつてない変革の時を迎えています。「2024年問題」として広く知られるドライバー不足の問題に対し、国を挙げた対策が次々と打ち出されています。
本記事では、法改正のポイントを整理しつつ、ハコベル株式会社の視点から今後の展望についてお伝えさせていただきます。
1. 押し寄せる法改正の波
現在、物流業界では「物流革新に向けた政策パッケージ」で示された、矢継ぎ早に法整備が進められています。何も対策を講じなければ2030年度には34%もの輸送力が不足すると予測される中、荷主企業、物流事業者、そして消費者が協力してこの危機を乗り越えることが求められています。
ポイントは以下4つの法改正の動きです。
(1)物流効率化法:荷主、物流事業者が協力して、積載効率の向上や荷待ち・荷役時間の短縮を目指すもの。
(2)貨物自動車運送事業法の改正:多重下請け構造の是正や取引の適正化を目指すもの。
(3)取引適正化法(下請法の改正):「特定運送委託」が取適法の適用対象となるなど、物流業界に影響の大きい改正内容が多い。
(4)通称「トラック新法」の可決:2026年4月より段階的に施行される、運送業界に新たな規律をもたらす法律。
これらは2025年4月から段階的に施行され、業界全体が対応に迫られています。
2. 業界全体に求められる「対応」と「変化」
これらの法改正を受け、各荷主企業、運送事業者は情報収集と対策立案を進めています。
例えば、物流効率化法では、一定規模以上の事業者(特定事業者)には中長期計画の作成や定期報告、物流統括管理者の選任(※荷主、連鎖化事業者のみ)が義務化されます。
貨物自動車運送事業法の改正においては、運送契約の内容を書面でやり取りする「書面交付」や、請負階層を明らかにする「実運送体制管理簿」の作成、再委託先との適正なやり取りを目指す「下請け発注の健全化措置」が必要となります。
様々な義務が課せられることにより、これらの法改正はともすれば「面倒なもの」「手間が増えるもの」と感じられてしまいがちですが、我々としては、これらの法律の本質は「物流を持続可能にする」ことにあると考えています。
ドライバーの労働時間を短縮し、適正な運賃を収受できる環境を整えなければ、日本の物流は維持できません。これは「やらなければならない義務」であると同時に、日本の物流を今後も持続的に発展させるために必要な取組なのです。
3. 規制対応を「競争力」へ
改めて感じたのは「物流拠点(倉庫)」と「輸配送網(トラック)」の双方を自社で保有・運営する企業の優位性です。
2025年6月に可決・成立し、今後施行される通称「トラック新法」には「2次請けまでに抑制する努力義務」「適正原価の導入」などの改正内容が盛り込まれています。
努力義務とはいえ「2次請けまで」という明確な指標が設けられたことにより、コンプライアンス遵守を重視する荷主は、なるべく「2次請けまで」に収めるような対応を進めていくでしょう。
加えて、「適正原価」の導入により、再委託をする際の手数料は「適正原価」に上乗せする形となるため、再委託を重ねるほど委託費は上がっていくことになり、依頼側はなるべく多重下請けを避ける動きが出てくるはずです。
このような動きの中で荷主企業は「直接トラックを持っている会社(実運送会社)」との直接取引を強く志向するようになります。自社でトラックやドライバーを抱える「アセット型」の会社は、この流れの中で、信頼できるパートナーとしてより選ばれやすくなるでしょう。
4. 法改正を機に、物流の未来を共に創る
一連の法改正は、物流業界がこれまで直面してきた長年の課題を解決するための様々なアクションを求めています。「下請けに丸投げすればよい」「安ければよい」「取引を続けてもらうために不利な依頼も受けなければならない」などの古い商慣習に別れを告げ、適正な取引、健全な業界構造、そして効率的なオペレーションを志向する時代になります。
単に法律を守るだけでなく、法改正の意図する「持続可能な物流」を先取りしようとする姿勢は、荷主様にとっても非常に頼もしい存在であるはずです。
ハコベルとしても、システムやデータの力で取り組みを全力でサポートし、ロンコ・ジャパン様と共に新しい物流の形を創り上げていきたいと考えています。

ハコベル株式会社 物流関連法対応室 室長 渡辺健太様
新卒で企業向け人材育成サービスを提供する企業に入社。法人営業に従事した後、新規事業立ち上げの責任者、産学官連携プロジェクトのプロジェクトマネージャーなどを経験。
その後、中国市場向けマーケティングを支援する企業に移り、引き続き新規事業立ち上げを行いつつ、中国上海にて現地子会社COOとしてPMI業務にも従事。
2021年にハコベルに参画。物流DXシステム事業部にてフィールドセールス・カスタマーサクセスを経験後、現在は主にマーケティング統括を担当。